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太平洋地域の気候変動研究書を出版、記念イベントを
開催

フィジー・スバ

記念イベントではフィジーのランブカ首相がスピーチ

戸田記念国際平和研究所とパシフィカ・コミュニティーズ大学(PCU)の共同プロジェクトの成果である画期的な研究書『Climate Change in Pasifika Relational Perspectives(仮訳:パシフィカの関係的視座から見る気候変動)』が出版され、記念のイベントが2026年4月28日、フィジーの首都スバで開催されました。太平洋諸島フォーラムの会議ホールで行われたこのイベントは、太平洋地域に焦点を当てた気候変動研究における重要な節目となり、フィジー共和国のシティベニ・ランブカ首相をはじめ駐フィジー日本大使ら外交官、学者、政策立案者、地域リーダーら約200名の来賓が出席。本書のテーマが持つ深い政治的意義や国際的な重要性を反映するものとなりました。

Climate Change in Pasifika Relational Perspectives

本プロジェクトは、平和構築、環境正義、そして国際的な議論における太平洋諸島の声をより広く届けるという共通のコミットメントを反映し、戸田平和研究所とパシフィカ・コミュニティーズ大学(PCU)が共同で立ち上げた企画です。記念イベントでは、この協働に対し、研究機関が太平洋諸島のコミュニティーと連携し、学術的に厳密でありながら実体験に根ざした研究成果を生み出した模範的な取り組みであるとして、多くの登壇者から評価の声が寄せられました。

PCUのウポル・ルマ・バアイ学長、戸田平和研究所のフォルカー・ベーゲ名誉上級研究員、キャロル・ファルボトコ主任研究員、ジョン・キャンベル氏、タミー・タベ氏の編集による本書には、太平洋地域内外の14名の専門家による論考が収録されています。またマーシャル諸島、キリバス、ソロモン諸島、ツバル出身の6名の作家による詩も掲載されており、その作品は研究中心の章を補完する太平洋の豊かな詩心や精神性を提示しています。本書に盛り込まれた、太平洋地域に根付く、人と土地、海などの環境要素が相互に関わり合う中で築かれてきた「調和」を基軸とした視点が、世界の環境課題を考察する上で大きな役割を担うことを訴えています。これは気候変動課題における西洋の支配的な枠組みへ一石を投じる直接的な試みであり、世界の気候対策の未来を形作るうえで太平洋先住民の認識論が重要な役割を果たすことを示すものです。

本年の国連気候変動枠組条約第31回締約国会議(COP31)は11月9日~20日の日程でトルコで開催されます。今回注目すべきこととして、交渉議長を務めるオーストラリアの支援を受けて、太平洋地域の島しょ国で特別に準備会合「プレCOP」を開催することになっており、太平洋地域における研究成果を収めた本書の出版は時宜を得たものであり、反響を広げることが期待されます。

本書「Climate Change in Pasifika Relational Perspectives(仮訳:パシフィカの関係的視座から見る気候変動)」の詳細は、パシフィカ・コミュニティーズ大学出版局のサイトをご覧ください。

太平洋の専門家や地域リーダーら約200名が参加した

外交団はじめ多くの来賓も出席

現地の人々が祝福のパフォーマンスを披露(写真は全てPCU提供)