改革から再設計へ:21世紀の国連を構想し直す
国際連合は、財政の脆弱化、政治的停滞、制度的正当性の低下という危機に直面している。国連にとって最大の分担金拠出国である米国の未納額は数十億ドルにも達しており、国連事務総長は、未払いが続けば国連は深刻な流動性危機に陥る恐れがあり、現金準備金は2026年半ばまでに枯渇する可能性があると警鐘を鳴らした。国連システムと並行して、かつその枠外で、米国が主導する「平和評議会」のような代替的な統治プラットフォームも台頭しつつある。
Research
Experts
Research Fields
当研究所が現在推進している研究プログラムを紹介します。
国際社会が直面する諸課題について、研究者、実務者、政策立案者、市民社会をつなぎ、議論を積み重ね、実践的な政策提言に結び付ける研究活動を目指しています。
Policy Briefs
各プログラムの会議報告や、専門家が研究・調査の成果などに基づき政策立案に向けた提言をまとめた論文です。
国際連合は、財政の脆弱化、政治的停滞、制度的正当性の低下という危機に直面している。国連にとって最大の分担金拠出国である米国の未納額は数十億ドルにも達しており、国連事務総長は、未払いが続けば国連は深刻な流動性危機に陥る恐れがあり、現金準備金は2026年半ばまでに枯渇する可能性があると警鐘を鳴らした。国連システムと並行して、かつその枠外で、米国が主導する「平和評議会」のような代替的な統治プラットフォームも台頭しつつある。
米露関係、そしてそれに伴う核軍備管理体制は崩壊寸前にある。新START(戦略兵器削減条約)のような既存の合意は2026年2月に期限切れを迎えるが、具体的な後継の見通しは立っていない。核の威嚇の増大、ドクトリンの転換、宇宙領域を含む兵器開発の可能性、それと同時に北朝鮮、イラン、その他の国における核拡散の懸念が生じている一方、欧州やアジアでは非核態勢をめぐる議論が核不拡散条約(NPT)の未来をますます脅かすようになっている。核のタブーが維持され、通常戦争と核戦争を隔てる防火帯はまだ損なわれていないものの、技術、ドクトリン、政治面での情勢は、事態の切迫性を強調している。核兵器禁止条約(TPNW)は、今や73カ国によって批准され、核のない世界への継続的な希求を反映しているが、同時に、長年の約束に進展が見られないことを浮き彫りにしている。このような背景を踏まえ、戸田記念国際平和研究所と紛争・開発・平和構築研究センター(CCDP)は、専門家や学者を集めて会議を開催した。目的は、核に関する世界の動向を評価し、軍備管理、リスク低減、信頼醸成措置を漸進的に進展させるための前提条件を検討し、世界・地域・国家レベルの革新的な取り組みの足掛かりとなり得るものを特定することである。
本報告書では、朝鮮半島における安心供与に関する2025年戸田研究クラスターによる研究結果を総合的に整理したものであり、米国、韓国、日本、中国、ロシア5カ国の理論的、国家的、政策的視点をまとめる。拡大する大国間競争や対立するブロックの形成が進む状況を背景に、参加者たちは抑止だけでは安定性を維持することはできないと主張する。五つの中核的論文の知見に基づき、本報告書では、相互の「安心供与」を、誤解を低減し、抑制の意志を示し、意思疎通を制度化するための確実な措置と定義し、抑止力を補う不可欠の要素であると位置づける。
Global Outlook
世界で起きている多様な課題について、各分野の研究者が独自の視点で分析し解説した論考です。
気候外交では、いま新たな潮流が生まれている。大きな影響を及ぼす議論の一部は、もはや正式な国際会議だけで交わされているのではない。公式日程と並行して設けられる多様な主体による新たな対話の場が、公式な制度が達成できる成果に与える影響をますます大きくしている。
欧州の軍需産業の株価が高騰している。かつて産業界の「厄介者」として公然と敬遠されていた兵器メーカーは、ロシアによるウクライナ侵攻を機に、投資家が最も注目する業種の一つとなった。いまやESG(環境・社会・ガバナンス)投資までもが軍需産業へと流れ込んでいる。
高市早苗首相の台湾をめぐる発言を発端とする日中間の外交上の緊張は、短期的には緩和の兆しをほとんど見せていない。両国関係は「新常態」に入りつつあるのかもしれない。 2026年初頭以降、日中双方は対抗措置の応酬を重ねてきた。1月6日、中国商務部は、日本向けのデュアルユース品に対する輸出管理を強化すると発表した。2月24日には、日本の20団体・機関を輸出管理リストに追加し、さらに20団体・機関を監視リストに載せた。3月24日には、自衛隊員が刃物を持って東京の中国大使館に立ち入る事件が発生し、国際的にも大きな注目を集めた。さらに、4月10日に公表された日本の2026年版外交青書では、中国の位置づけが「最も重要な隣国の一つ」から、単に「重要な隣国」へと格下げされた。
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