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ベンガル湾気候・平和・安全保障対話

スリランカ・コロンボ

コロンボ市内の国連施設を会場に行われたワークショップ

コロンボでワークショップを開催――地域の気候・平和・安全保障に向けた取り組みを推進

8月3日から4日にかけてスリランカ・コロンボで開催された「ベンガル湾気候・平和・安全保障対話」には、この地域および国際的な専門家、実務家、政府代表者など、多様かつ極めて関連性の高い関係者が一堂に集まりました。この会議には、ベンガル湾多分野技術経済協力イニシアチブ(Bay of Bengal Multi-Sectoral Economic and Technical Cooperation, BIMSTEC)、環インド洋連合(Indian Ocean Rim Association, IORA)、研究機関、市民社会の代表者の他、スリランカ外務省、漁業・水産・海洋資源省、国防省、女性・児童問題省を含む幅広い省庁や公的機関の担当者が参加しました。ワークショップはBIMSTEC気候変動局長による基調講演で幕を開け、ベンガル湾地域にとって重要な転換点を迎える中、地域協力を一層強化することの重要性が強調されました。

本ワークショップは、戸田記念国際平和研究所、人道対話センター(Centre for Humanitarian Dialogue, HD)、adelphiが共催し、ナレッジパートナーとして国連開発計画(UNDP)スリランカ事務所を迎えて開催したもので、戸田平和研究所が2025年にキャンベラで開催した気候、平和、安全保障に関する研究会議で示された取り組み内容を踏まえています。科学的根拠、政策的視点、実務家の経験、そして地域に根ざした知識を結ぶ、南アジア主導の重要な対話の場となりました。2日間にわたる議論では、気候変動、異常気象とそれに影響される環境悪化、漁業資源の減少、違法・無報告・無規制漁業などが、ベンガル湾地域の平和と安全保障の動態とどのように相互に作用しているかについて検討しました。また、こうした問題が沿岸地域の生計、女性、周縁化されたコミュニティーに及ぼす影響にも焦点が当てられ、研究と政策の双方において、こうした現場の視点をより適切に反映していく必要性が指摘されました。

今回のワークショップの大きな成果の一つは、現状の分析にとどまらず具体的な取り組みを重視した点にあります。参加者は、優先的に取り組むべき研究・データ上の課題を特定するとともに、既存の地域協力の枠組みを検討し、気候と平和・安全保障の関連性の視点を漁業ガバナンス、気候変動への適応、災害リスク低減、地域対話などに、より効果的に組み込んでいく方法について議論しました。

さらに実践的なテーブルトップ型シナリオ演習を行い、2026年から2030年までのベンガル湾地域で想定される三つのシナリオを検討しました。資源をめぐる圧力や海上での緊張が悪化するシナリオや地域協力を通じて変革が進むシナリオなど、さまざまな将来像を検討しました。異なる将来の検討を通じて、参加者は緊張の高まりを引き起こす可能性のある要因を特定し、事態のエスカレーションを防止するために介入できるポイントを検討しました。また、不確実な状況下においても有効性を保つノー・リグレット(後悔のない)な対応策の優先順位付けを行いました。

ワークショップの最終日には、南アジアにおける気候・平和・安全保障に関する取り組みのための具体的な優先事項をまとめた「コロンボ提言」(後日公開予定)が採択されました。この提言では、地域協力と政策統合の強化、科学的根拠と早期警戒体制の改善、漁業ガバナンスおよび違法・無報告・無規制漁業への一層の対応、ジェンダーや地域コミュニティー視点のより体系的な取り入れなどが求められています。

また、地域主導の気候変動適応策、コミュニティーのレジリエンス、紛争に配慮した災害リスク低減、知見の豊かな専門家と政策決定者との連携強化など、今後の研究・プログラムに向けた優先課題も示されました。これらの成果は、BIMSTECなどの地域機関を通じた継続的な取り組みや、今後の研究・プログラム上のパートナーシップを進める上で実践的な基盤を提供することになります。

「コロンボ提言」は、南アジアにおける気候・平和・安全保障に関する取り組みをより一貫性のある、地域の実情に根ざした実践志向の地域アジェンダへと発展させるための重要な一歩となります。